【しづよさんとチロ君❤】  ぺったん２０１９年５月号❣ほっこりスクープ掲載❣ ≪しづよさんとチロ君❤≫ 昭和６年長野県生まれの谷内しづよさん(88歳)は、多くの野良猫・捨て猫を引き取って暮らしてきました。やむを得ず面倒を見て救っていくうちに、気付くと猫達に囲まれた生活が当たり前となりました。 しづよさんにお子さんはいませんが今まで５０匹以上の子ども同然の猫達と暮らし、看取ってきました。 【戦争体験談 お姉様の壮絶死】 猫に限らずに、物言えぬ動物達に手を差し伸べるしづよさん。救っていく年月が経つと、軽率な考えで、しづよさんのアパートに猫を捨てに来る人もいましたが、自分を守るよりも弱き哀れな猫達を懸命に守りました。 そんな、しづよさんの慈悲の力の奥底には壮絶な戦争体験がありました。その中でも、今でも身を持って刻まれている鮮明な記憶…それは、しづよさんの３つ年上のお姉さまで当時１８歳の美奈子さんのことでした。 終戦２日前の昭和２０年８月１３日…職場である軍事工場に３人で働きに行きました。お姉さまの美奈子さん、しづよさん、しづよさんの1つ年上の宮川さんという方の３人で信濃川田駅(現在は廃駅)を下車した時です。上空から狙っていたアメリカのグラマン戦闘機がいっせいに射撃をしてきたのです。しづよさん達３人は一緒に駈け出して逃げました。しかし、悪魔のような射撃の雨は止まりません。お姉さまの美奈子さんは脚に３発貫通し、宮川さんはお腹に被弾しました。みるみるうちに辺りは血で染まり、宮川さんは息を引き取り、美奈子さんは激痛に襲われていました。 「姉は１０日間苦しんで苦しんで最期を迎える前に脚を切断してその後亡くなりました」 しづよさんは、グラマン戦闘機に射撃され全身に返り血を浴びながら見た、気が狂いそうになるほどの地獄のような真っ赤な光景を、「忘れられずに今でも鮮明に覚えている」と仰います。 【多くの別離・悲しみと、何かに守られている感覚】 しづよさんのお父様は42歳の若さで結核でご他界。しづよさんのご兄弟も次々に結核で亡くなり、お母様は胃ガンで50歳でご他界しました。 幼い頃から住まいを転々と渡り歩き、しづよさんは２人の妹さんの面倒をみながら責任感と強い優しさで乗り切ってきた経緯がありました。 しづよさんご自身は縁談から30歳過ぎて谷内三郎さんとご結婚しますが、やっと掴んだ幸せも束の間、三郎さんは結核で他界。しづよさんはこの時はじめて自殺を考え大量の睡眠薬を飲んで自殺を図りました…うつろいゆく記憶、走馬灯のように巡る今までの人生…常につきまとう孤独…眠りから覚めると、何もなかったかのように無事な自分がいました。静寂の中にも、優しく温かい感謝と平和を感じるべき感覚になり、自殺を図ったことを深く懺悔し、皆の分まで生きる覚悟が固まりました。 「いつも私は不思議と守られているとしか思えないことが多々ある」と仰います。 、幼い頃から積んできた目に見えない陰徳の成せるもも充分おありのことでしょう。 後に、ご職場で出逢った須永進さんと４７年間連れ添い、事実婚としながら一つ屋根の下で、子ども同様の猫達とひっそり幸せな時間が過ぎてゆきました。３年前、老衰により進さんは９２歳でご他界したため、現在しづよさんとチロ君の２人暮らし。しづよさんと共にチロ君も高齢のため満身創痍の状態で、目がほとんど見えず同じ位置からほとんど動かないような状態ですが、しづよさんに優しい声をかけられると、とても安心した表情に❤ 小さい頃からとりわけ、おめめパッチリのチロ君。今でも可愛いイケメン君です。 大きなおめめをしづよさんに向け、頑張ってにじり寄って来るようです💕 戦時中、動物の尊厳など無いに等しく「動物なんか皆、食料」「人間のための毛皮」といった思考が横行する中、一切の命の尊さ、平和を願う慈しみの心は常に強く持ち続けていました。 「もし自分だったら」と、境界なく他の痛みを分かろうとするお心に、救われた人様と動物達。 真っ直ぐだったと言われていたというお父様、どこまでも慈悲深かったというお母様も、ご姉妹の皆さんもきっと今も優しく微笑み見守ってくれていることでしょう。 【７０歳から開花したご才能】 万葉集が好きだったのもきっかけとなり、日本書道協会の門を叩き７０歳から始め猛勉強したという『万葉仮名』のペン習字で、なんと内閣総理大臣賞を受賞なさっています❢ 書と向き合い、定期的にお仲間と会っていた頃の思い出を回想するしづよさんの表情は輝いていました。 万葉集から引用された令和の元号は「字も響きもとても良いですね 隔てなく皆を思いやる時代になってほしい」と仰ってくれました。 ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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