特集&過去に取材した子たち

【歴史を繋ぐ瞳❣ あんちゃん❤】
歴史を繋ぐ瞳❣ あんちゃん❤


ぺったん2019年9月号❣ほっこりスクープ掲載❣
 『歴史を繋ぐ瞳❣ あんちゃん❤』

 飼い主の水村暁美さん(49歳)は幼少期から色々な動物とのご縁がる中、3頭のアイリッシュセッターとの筋書きのない逸話がありました。

トリマーの仕事に従事していた頃、2003年に姉のじゅりあちゃんと、妹のじゅのんちゃんというアイリッシュセッターの姉妹を迎え入れました。ご自分の娘のように、そして妹のように愛情と慈しみを持って育てていきました。いつも優しく、そして女の子ながら男前の番犬タイプで、妹のじゅのんちゃんとお母さんの水村さんを守ってくれていた姉のじゅりあちゃんは、肺ガンで7才9ヶ月でこの世を去ることになりました。

お姉さんを亡くした妹のじゅのんちゃんは、その後ホルモンバランスを崩して倒れ…緊急手術で子宮を全摘出しました。

手術後、しばらく生死の間をさまよう壮絶な経験をしたじゅのんちゃん。

対峙してきた水村さんは、『飼い主の精神状態が愛犬の健康にも大きく作用することを教わりました』と振り返りました。

 責任感、見つめ直し、そして自分に出来る事、活かせる事などを素直に胸に手を当て考え続けた後、心のケアの重要性を本気で学び実践したいと思うようになったのでした。

水村さんの新たな扉が開くきっかけでもありました。

その後亡くなったお姉さんの分まで、愛情をかけられ、すくすく育ったじゅのんちゃんは14歳の時
に歩けなくなりました。

寝たきりの介護経験をした水村さん。献身的に人間同様の介護をしながら、悲しくなったり、不安に押しつぶされそうな時が幾度もありました。
 しかしその時期に大きな体感を
しました。

 それは『動物たちは今ここ、この瞬間を精一杯生きていること』

 健気で懸命に生きる愛犬
の気持ちになることで心が落ち着き、全てを受け入れ、柔和な笑顔で楽しみながら行いました。


【2頭の愛犬を見送った後に夢に現れた子とは!?】

じゅのんちゃんは14歳3ヶ月で他界し、お姉さんのじゅりあちゃんの元に旅立ちました。

 長くも短い1ヵ月半の介護を終えた水村さん。「じゅのんとの介護生活は本当に学びが多く、寝たきりのじゅのんと過ごした1か月半が一番幸せだと思えるほど、今までにない幸せな看取りでした」とも仰います。

 「もうワンコと生活することはないだろう」とのことでしたが…でも、もしもまたご縁があったらアイリッシュセッターと暮らしたいなぁと、かすかには感じていました。

 そして、まさかのご縁は理屈では分からない様々な繋がりから静かにドアを叩いてきたのです…

精一杯、じゅのんちゃんの看病をしていた水村さんは、見送った後に初めて自分の体がボロボロになっている事に気付きました。

「またいつか赤毛ちゃんと生活できるように元気になろう」「元気になったらご縁がやってくるかも」と、心の変遷と共に苦手だという病院通いを頑張りました。「ご縁があったら保護犬ちゃんを迎えよう」とまで思うようになると、赤毛を連れた不思議な夢を見るようになりました。

 それは、じゅのんちゃんでも、じゅりあちゃんでもないアイリッシュセターを連れている夢でした。なんとなくまた赤毛ちゃんが来るかも??そんなイメージを持つような夢。

 しかし、現実的にはアイリッシュセッターの里子は中々いないのに…そんな事をぼんやり思いながら月日が流れた2018年5月8日。お友達から「ご縁を運んでまいりました〜」というメッセージが…そして、そこにはゲージに入った小さなアイリッシュセッターの女の子の写真があったのです❢ 

 そのお友達には、またアイリッシュセッターと暮らしたいと思っていた事など、何も伝えていなかったとのことで、「衝撃的なメッセージでした❢」もとの飼い主さんからは「アイリッシュセッターと暮らしたことのある方に引き取ってほしい」という願望があったのです。アイリッシュセッター繋がりの沢山いるお友達の中から水村さんが浮かび、ご連絡をくれたそうです。


ぼんやり見た夢のように、本当に赤毛の犬と正夢のような出逢いがあったものの…写真で見た子は6ヶ月なのにアイリッシュセッターとしてはとても小さい、まん丸な目…「かわいいけど、正直私の好きなタイプではないと感じた」という水村さん。

 第一印象ではピンとこなかったとのことです。それでも、「写真で見ただけでは分からないし“会えばわかる”と、何となく旅立ったじゅのんが言っているような気がしたので、とりあえず会ってみました」

 いざ対面すると、アイリッシュセッターにしては驚くほど小さい。人懐っこい感じだけど大人しい…ここでもまだスイッチが入らなっかたという水村さん。なぜかというと、穏やかで大人しい子だったじゅのんの次に来る子は、真逆のハイパーな子だよ!!と、周囲に言われ、ご自分でも何となくそんな感じがしていたからとの事でした。しかし、会った子はとても大人しい子でした。


でも、その飼い主さんとお話しているとだんだん個性を現し、活発になりアピールしてきました。水村さんの手を噛みつくようになり、気付くと噛んだ手をひねっていました。

 血が出た手を見て「この子なんだ❢」と感覚的に感じ、確信したという水村さん。今まで怪我をさせるほど噛んだことなどなく、それどころか、噛むこと自体なかったようで、怪我をした瞬間「あぁ、ダメだ」と元の飼い主さんは下を向きました。

 しかし、「想定内です♪」という水村さんの言葉と決意に元の飼い主さんは涙を流されました。
 そして水村さんも不思議なご縁の巡り合わせに涙を流していました。


【出来得ることを決断した元 の飼い主さん】

 里子に出す決断をされた元の飼い主さんは決して放棄したわけではありませんでした。

アイリッシュセッターが大好きで、小さい頃から一緒に生活してきた方でした。そして6日前 にペットショップで偶然見つけ我が子として迎えたのです。でも、お家には老犬と小さなお子さんがいて、頑張りすぎた元の飼い主さんは体調を崩してしまいます。

 それでも頑張り、友達に助けを求め…泣く泣く里子に出す決心をしたということでした。
 申し訳ない思いや絶対幸せになって欲しい思いを込め、今出来うる最善の決断をした元の飼い主さん。

「手放すのは本当に辛かったと思います」受け入れてくれたこと、ご縁を運んでくれたことにお互いに感謝でいっぱいでした。

「じゃ、一緒に帰ろう❢」そういうと玄関に飛んできて迎えに来るのを待っていたみたいだねと、元の飼い主さんと笑みがこぼれていました。以前にペットショップのホームページで子犬を見ていた事があった水村さん。
なんと❢ 実はその子は…この子だったことが後で分かりました。

ショップからは迎えないという水村さんの所へ来るための「じゅのんの粋な計らいのお蔭だったのかもと思っています。ご縁に感謝しています」そして「夢に出てきた子は今やんちゃ娘のあんじゅだよ」と、他界したじゅのん
ちゃんが教えてくれる夢も見たという水村さん。「その夢に出てきた子は私の隣で楽しい毎日を過ごしています」

 経験を活かし、現在ドッグセラピスト、アニマルコミュニケーターとして歩み、導く水村さん(=^・^=)/💝 

 3代目のアイリッシュ・セッターあんちゃんの、まん丸の瞳には、秘められた歴史が写し出されているようでした☆





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